【開催報告】能登ウルトラ合宿in珠洲2026、無事終了しました ― ありがとう、珠洲。

2026年4月4日(土)〜5日(日)の2日間、石川県珠洲市にて「能登ウルトラ合宿in珠洲2026」を無事開催することができました。全国から集まってくださったランナーの皆さま、支えてくださった地元の方々、本当にありがとうございました。

まずは ― ここまでたどり着けたこと

正直、合宿の朝、野々江総合公園で受付を始めた瞬間、少し泣きそうになっていました。

2024年1月1日の能登半島地震で、妻の実家がある珠洲で被災。9月には復興イベントを企画していたまさにその日に奥能登豪雨が襲いかかり、イベントは中止、お手伝いに来てくれた仲間と参加者の皆さまに、大変なご迷惑をおかけしました。

「もう珠洲でイベントをするのはやめた方がいいのかもしれない」――本気でそう思った夜もありました。それでも、合宿という形で今年、50人を超えるランナーを珠洲に迎えられた。これはもう、参加者の皆さま、地元の協力者の皆さまのおかげ以外のなにものでもありません。

 

(スタート前のミーティング兼自己紹介タイム!)

DAY1(里山編)― 製塩地、木ノ浦ビレッジへ

1日目は約30km。野々江総合公園をスタートして、珠洲製塩地域を巡りながら木ノ浦ビレッジまで。桜が咲き始めた里山、海を臨む坂、復旧工事の現場。珠洲の「いま」を、走りながら目と身体で受け止めていただいた一日でした。

ペースはグループ①(キロ6分〜7分)と、グループ②(キロ7分〜8分)の2つ。
サポートランナーが帯同し、コンビニの少ないコースはこちらで車を回してエイドを設営。みなさん本当にタフでした。

 

(珠洲製塩さんで塩のお勉強!)
(快くエイド設営場所とお手洗いを貸してくださりありがとうございました!!)
(頑張って最後の峠走ったら、ご褒美に陽が差しました)

DAY2(里海編)― 禄剛崎、須須神社、ゴールまでの45km

2日目は木ノ浦ビレッジから能登半島最先端の禄剛崎灯台、須須神社を経て、見附島まで足を伸ばし、野々江総合公園へ戻ってきて約45km。前日の30kmの疲労を抱えながらのBtoB(バックトゥバック)、みなさんよく走り切ってくださいました。

海沿いを走り、風を受け、集落の方々に声をかけていただく。
時折、不整地を走ったり、須須神社奥宮まで登山をしたり・・・。
レースではなく、走りながら珠洲を好きになってもらう――そのために設計したコースでしたが、狙いどおりになっていたなら嬉しいです。

 

(二日目、快晴!仏の座の綺麗な紫に癒されました。)
(平坦な海沿いをひた走る時間も。これぞ、Theウルトラ)

What ifエクササイズ ― 走ることと、備えること

今回、2日目のコース上で少し時間を取って、勝手に名付けた「What if(もし●●が起こったらどうする?)エクササイズ」をさせていただきました。

山の中で脚をつった、仲間が低体温になりかけている、地震が起きた、通れると思った道がふさがっていた――ウルトラトレイルやウルトラマラソンには、こうした「想定外」が必ず起きます。
事前に脳内でシミュレーションしておくだけで、現場での初動が全く変わる。防災士として活動している中でも、日々痛感しているテーマです。

「走れる身体を持っている人は、いざという時、誰かを助けられる人でもある」

その意味で、ランナーと防災は地続きです。私自身、珠洲で被災した経験から「水が止まるより先にトイレが限界を迎える」という現実を身をもって知り、その反省を形にしたのが、先日記事をリリースした防災トイレの監修仕事でした。走る人こそ、備蓄を「クローゼットの奥」ではなく「日常の中」に置いてほしい。そんな想いで書いた記事があるので、よかったら合わせて読んでみてください。

夜の懇親会 ― 全国から集まった「ウルトラ好き」たち

1日目のトレーニング後は、木ノ浦ビレッジのカフェを貸切にして懇親会を。初ウルトラを控えた方、100マイルレース経験者、関西・関東・東海・北陸と各地から来てくださったみなさんと、ビール片手にレースの話、シューズの話、「しょーじ漫談」(笑)で盛り上がりました。

修学旅行のような夜でした。ランナー同士、走力もバックグラウンドもバラバラなのに、「ウルトラが好き」のひと言で一晩中話し込める。この空気こそ、合宿という形式でしかつくれないものだったと思います。

 

(この時間が一番楽しい。みんなで同じ釜の飯を食う時間。)

参加者の皆さまからの声(一部抜粋)

モシコムの主催者レビューにも、本当にありがたい言葉をいただきました。

「アップダウンあり、トレイルあり、そして珠洲の様々な景色を感じ、楽しむことができました」(ふくたくさん)

「まずは能登の現状を自分の目で見れたこと。まだまだ過去の出来事ではないことを実感。ぜひみなさんも自分の目で見てみて」(gidaさん)

「『しんどい時にどうするか』を考える時間になった」(アラカン☆ヘタレランナーさん)

「珠洲の現状を自分の目で」という言葉、特に重く受け取りました。
走ることで、ほんの少しでも能登の「いま」を持ち帰っていただけたなら、企画した甲斐がありました。

この合宿の始めにお話しした「自分の目で見たものが事実です。だから、とにかく経験すること、その場に行くこと」が大切になる世界になっていくと思います。

これからは、どんどんAIで作られたもの、SNSでの他人の話、によって事実が何かがわからなくなってくると思います。

その中で、アナログに、自分の足で、自分の目で、事実を見にいくこと。

そして、みなさんそれぞれの中に芽生える感情、解釈、それが真実です。
それらを大事にしていって欲しいなと思っています。

最後に ― また、珠洲で待っています

参加者の皆さま、本当にありがとうございました。お手伝いいただいたサポートランナー、サポートスタッフ、木ノ浦ビレッジの皆さま、珠洲製塩・道の駅すず塩田村・ノトハハソ・二三味珈琲・おきな軒の皆さま、地元で声をかけてくださった全てのみなさんに心から感謝します。

(2日間熱心に、時には並走しながら取材してくださった北陸中日新聞の高橋記者の記事はこちらです。

次は、奈良ウルトラマラソン、富士五湖、野辺山、飛騨高山、それぞれの本番で、またみなさんにお会いできるのを楽しみにしています。そしてまた、珠洲で走りましょう

来年も4月1週目の週末に合宿を企画予定です。

2026年以降の私のイベントは モシコムの主催者ページ やハヤブサスポーツHPで随時ご案内していきます。

― ハヤブサスポーツ/防災士 荘司 隼也