やっぱり僕の知っている誠司さんは優しかった

ロフォーテンウルトラトレイル100マイル完走後、記憶が鮮明なうちに書き残しています。
 
レースの詳細は後日書くとして、(比叡山50マイルのことも書きたいのに!笑)
ロフォーテンウルトラトレイルについて僕の想いをまとめておきたいと思います。
 
ただただ長くて時間だけを消費してしまうので、僕とオラオ店長、、、
いや、僕と誠司さんの話に興味がある方だけどうぞ。笑
 

誠司さんとの出会い

三浦誠司さんはいつも僕に優しかったです。
 
 
一度見たら忘れられない特徴的な笑顔。
【ニカニカ】という形容詞がピッタリな笑顔。
 
 
でも、三浦店長の話を他の人にすると(特にランウォークスタイルと関わりが深い方々。笑)、
「ん?荘司くんの言ってる三浦店長というのは、オラオ店長のことではないよね?」
テキナ反応をされることばかり。笑
 
 
 
「いや、オラオ店長のことですよ!」
って言っても話が通じません。
 
 
「あのな、荘司くん。あの人は鬼やで。カクカクシカジカで。。。
 
と、皆さん持ちネタがあるようで、色んな逸話を聞かせてもらいました。笑
 
 
 
 
 
 
何を隠そう、僕と誠司さんが知り合ったのは確か2018年のオンヨネの商品勉強会で新潟に行ったとき。
 
超最近の話で、実は知らないことばかり、もっといっぱい話したいことばかり。
 
 
 
その商品勉強会には、全国から8社くらい、各お店の代表者が来てて、たまたまランウォークスタイルの誠司さんがいらっしゃいました。
 
 
 
(あっ!あのランウォークスタイルの三浦店長や!!挨拶せな!)
 
と思い、いの一番挨拶をしに行ったら、あの屈託のない笑顔で、
「おう!荘司やろ!やっと会えたな!噂には聞いてるぞ〜。ちょっと飲みに行こか!」
と、誠司さん。
 
いやいや、同じ関西で、同じランとトレイルの専門店をやってる、言わば競合他社のオーナー店長と雇われ店長ですよ。笑
 
それなのに、開口一番飲みに行こかってどんだけ優しいんですか。
 
 
勉強会の形式ばった飲み会を済ませて、すぐに二人で抜け駆け。
 
まるでコンパで意気投合した男女のように。笑
 
 
 
そしてこの時、確か新潟のオンヨネ本社近くのドイツ風の飲み屋で結成されたのが
 
【俺は従業員の悪口、お前は社長の悪口を言う会】
 
です。笑
 
誠司さんが従業員の悪口を酒の肴に、
僕はタグ●ウの悪口を酒の肴にして飲む会が数回開催されました。
 
(これは今でも佐知子番長とコッソリ継続中。笑)
 
 
 
 
そんな名前の会ですが、大半は
「俺今ひざグチャグチャやねん。痛くて走れたもんじゃない。」
ということ。
 
 
 
 
そんな話ばかり聞いてると、心のどこかでいつの間にか、
「誠司さんと一緒にトレランしたい」
と思うようになっていました。
 
(出会って間もないころお店に遊びに行ったときたまたま知り合いの方が撮ってくれました)
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ロフォーテンで見つかった僕の夢を叶える方法

ロフォーテンウルトラトレイルの動画を観てて、たまたま誠司さんを見つけた時、



「誠司さんと一緒にトレランできる機会が来た」


と直感がそう言ってました。
 
 
エントリーフィーも、
具体的な開催場所も、
そこへの行き方も、
何も知らずにとにかく無我夢中でエントリーを済ませていました。



夜中の1時過ぎにあんまり意味わかってもない英語のエントリーフォームを埋めていき、
決済のところで自分のクレジットカードが何回やってもはじかれて決済できず、
それでも奥さんにカード借りてまでエントリーしてました。笑
 
 
 
 
こんなバカ高いエントリーフィーで(約7万円。そもそもノルウェーが世界で2番目に物価高いなんて知らなかった)、
首都のオスロからこんなにも離れてて(約1400㎞本州縦断くらい離れてる)、
関空から飛行機3回乗り継いで、さらに高速船に乗って合計で38時間以上かかる、
なんてことを知ったら多分エントリーしてません。笑
 
 
(ロフォーテン諸島、スヴォルヴァーにやっと上陸!)
(ゴール地点ができてた。絶対帰ってくる!と誓った。)

夢のさなか

沢山のトラブルに見舞われながらも何とか立てたスタート地点。
(後日、旅行中に起こったトラブル編だけで1ブログ書きます。笑)
 
 
誠司さんが、
「やっとお前も来たか〜。俺ん時ずっと天気悪かったし、今日は最高やな!」
と言いながらニカニカ笑ってるかのような青空。
 
 
ここ数年のロフォーテンウルトラトレイルの動画観ましたが、こんな青空のときあったかな?というくらい快晴でした。
 
 
 
 
 
(船でしか行けないスタート地点)
(上陸間際!)
(誠司さんが生前着ていたウェアに身をくるむ。)


もちろん海外でもスタートは最前列。笑




フワフワ浮つく気持ちをとにかく抑えて抑えて走るもののなんだかフワついている。







僕トレイルではなるべくコケないように下りはかなり慎重に下るタイプなんですが、
10kmくらいの下りで尻もちガッツリついて手を切って、
15kmくらいの下りで躓いてきれいに前転しながら右のふくらはぎガッチリ攣って悶絶。
 
 
「確か誠司さんもコケてましたよね?笑」
と話しかけながら、大きな怪我にならなかったのが幸いでした。
 
 
景色も最高で、写真撮りながらフワフワ浮ついてたのを気を引き締めろと言ってくれてるかのようで、
わざと、SP3〜SP4の区間は区間タイムを気にせずとにかく安全に、コースロストもせず、抜かれても「足を温存させてるんや。」と言い聞かせて、自分のペースで歩き続けました。
(序盤は最高の天気!)
そして、99km地点のエイドに到着。



「ここや。誠司さんが来たところ。そして、止めたところ。」

 
この誠司さんのブログには、
「99kmのCPに向かう山中」
とあったんですが、これ多分99kmから次のCPに向かう山中かと。



走りながら、
77km地点のエイドでリタイアしたのか、
99km地点のエイドでリタイアしたのかがずっと疑問でした。
 
 
数名の知り合いからは99km地点でやめたと聞いてたのでこんがらがってました。
 



 
でも、
親切なマダムと、
このテーブルの雰囲気、
美味しくて他のエイドとは比較にならないくらい豪華なエイド(炒飯はなかった。笑)からして間違いない。
 
 
 
エイドで手厚い施しを受けて、いざあの誠司さんがリタイアしたほどの恐ろしいトレイルへ。
 
 
 
恐らくこのエイドの前か後の所、少しコース変更があったので、実際に誠司さんが迷ったところかは微妙ですが、
小雨だけで霧はなく視界が良いからマーキングは何とか見つけられました。
 
(デフォルトで300m~400m間隔くらいでしかついてないので、基本フラッグから次のフラッグが見えることは少ない。)
 
 
 
 
「これはホワイトアウトしたら全く道わからないっすね。
やっとここまで来れました。さぁ一緒に行きましょっか。」
 
 
 
すると涙。
 
 
 
 
 
 
何の涙なのか、分かりません。
 
 
 
 
 
「いやいや、この涙はゴールに取っとかんとあきませんよね!」
 
 
そこからはゴールまでひたすら歩を進めるのみ。
 
 
 
このあたりで、30時間切りを狙うのを諦めて、
とにかく怪我なく完走しようと言うモードに切り替えました。


そんなことしたら誠司さんが怒るかな?と
考えても怒られてるような様子は無し。
 
走れるところは走るし、手を抜いてる訳ではないので良かったのかな。笑
 
 
 
最後の5km300mアップくらいの里山は暴風雨でカットになったんですが、

その1つ手前、コースで1番の最高地点(640mくらい)を通るトレイルは僕は何とかカットされる前に突入できました。
 
 
この山も後ろの人たちはカットになったみたいです。
 
 
それもそのはず。
ここでレスキューされる経験をしました。笑
 
レース後聞くと、女性が一人低体温症でノルウェー軍のヘリでレスキューされたらしいです。
 
 
 
それくらいの暴風雨とアラレが殴りつけてきて目も開けられない状態でした。
 
命の危険を感じて、かろうじてアラレを避けられる岩陰に隠れて、レインパンツを履こうにも震えてもう履くことができません。
 
 
とりあえず動けてるから、ひたすら動き続けようとジェル2本食って再スタート。
 
それでも天候はひどくなる一方。
 
 
 
(爆音注意。動画で伝わりにくいですが、死を意識したくらいの暴風雨。思わず岩陰に隠れた。)







「こりゃ下手しい、死ぬな。でも、絶対に生きて帰る。まだ動けてる。」
 
 
ひたすら、呪文のように独り言をブツブツ言ってると、
 
前から元気そうな二人組。
 
 
足取りの軽さからして、大会関係者か何かのレスキュー来たなとすぐわかりました。
 
 
 
「誰か滑落してもーたんかな。。。」
 
 
縁起でもないですが、それくらいの暴風雨だったんです。
 
 
 
すると、
「アーユーオーケー!?」
と僕に声をかけてきます。
 
 
「オーケー。ベリーグッドウェザー!笑」
 
まだ冗談は言えてる。笑
 
 
そして、この先に小屋があるからとにかくそこまで行くぞ!!
と僕の腕をつかんで連れて行こうとします。
 
 
「オッケーオッケー!!」
と慌てて腕を振りほどく僕。
 
こんなところでDNFなってたまるかよ
と思い、助けはいらないとアピールしてとりあえず小屋へ。
 
 
すると何人もの選手がめちゃくちゃ震えながら、毛布にくるまったり、コーヒーをもらって飲んでたりしてました。
 
 
 
僕も数分そこで衣服を着替え、履きたかったレインパンツをやっと履き、すぐに出発。
 
 
ここに長居すると降りる気力を無くすと思いました。
 
 
6人くらい選手同士パックになりとにかく降りていきます。
 
僕も震えながら、コースマーキングを探してひたすら、
 
「絶対生きて帰る」
 
と何回唱えたことか。。。
 
 
 
あそこまでの経験は初めてかも。。。
 
 
 
それでも不思議と大丈夫な気がしました。
 
外国人選手がコースマーキング見つけられなくて迷ってるので、
僕が先頭に立ちひたすらマーキングを見つけて下っていけたんです
 
「俺コース知ってるっけ?」
と思っちゃうくらいにスイスイコースが分かります。
 
多分、誠司さんがこっちやぞーって言ってくれてたんですね。
 
ここの区間トレイルも怖すぎて、天気も最悪過ぎて、
あまり記憶が無いんですが、それくらいにスイスイ下れて助かったのは一緒に走ってくれてた誠司さんのおかげな気がします。
 
 
 
 
 
命からがら降りてきて、
さぁ勢いで最後の山さっさと終わらせてやる!と、
ロードをキロ5くらいで頑張って走ってると、、、
 
「あれ?なんか見たことある街並みやけど。。。ん???」
 
 
 
 
 
そのままゴールに着いちゃいました。笑
 
 
そして、サポートしてくれた志保くんもいない。
 
人もまばらで閑散としているゴール地点。
 
 
 
「ん????ん????」
 
 
パニックです。
 
 
 
 
とりあえず大会関係者らしき人に、
「最後の山カットになったの?」
と聞いたら、
「そうやで!」
で終わり。笑
 
 
まぁでも、核心部のデカい山は行けたからいいか、とトボトボゴールに向かってたら、
「荘司さんすいませーん!」
と間一髪、ゴール前に志保くん登場!笑
 
 
マジびびったわー!
と言いながらゴール!
 
 
泣くつもりやったのにそれどころじゃないドタバタでいつの間にかゴールしちゃいました。
 
これも僕らしくっていいか。
 
(フィニッシャーTとレインパンツ脱ぎかけの自分。笑)



レース前に沢山のメッセージやコメントくださってありがとうございました。
 
走りながら奥さんにもラインして追っかけてくれてるのが分かってパワーになりました。
 
 
 
 
初100マイルレースを海外で達成!
 
32時間02分37秒
 
多分、最終的に160km,D+6500mくらい
 
12位(88人中完走者49人)
 
(ちなみに今年の優勝者は23:55:34)
 
 
 
 
 
 
 
やっぱり一緒に走っても、誠司さんは僕に優しかったです。
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